生物機能工学演習2日目 分子力場計算(2)

コンホメーション分率の計算

分子力場計算で求めたポテンシャルエネルギーからコンホメーション分率を計算する.

ブタン

ブタンは$t$コンホメーション,$g^+$コンホメーション,$g^-$コンホメーションの3つのコンホメーションを取る.この3つのコンホメーションを短時間で遷移しており,これ以外の形は存在しないと考えてよい.

従って,それぞれのコンホメーションの存在確率(コンホメーション分率という)の和は1となる.
$$
f_t + f_g^+ + f_g^- = 1
$$
また,$g^+$と$g^-$は鏡像なのでポテンシャルエネルギーは等しい.従って,コンホメーション分率も同じになる.
$$
f_g^+ = f_g^-
$$
分子原子の世界で飛び飛びのエネルギーを有する状態(エネルギー準位)の存在確率の比はボルツマン分布で書き表される.

従って,$t$コンホメーションと$g$コンホメーションの分率の比は

$$\frac{f_g^+}{f_t} = \frac{f_g^-}{f_t} = exp(- \Delta E / RT)$$

ここで
$$\Delta E = E_g^+ – E_t = E_g^- – E_t$$

メチルシクロヘキサン

メチルシクロヘキサンでは,エクアトリアル形とアキシャル形の2つが存在する.

$$
f_e+ f_a = 1
$$

$e$コンホメーションと$a$コンホメーションの分率の比は

$$\frac{f_a}{f_e} = exp(- \Delta E / RT)$$

ここで
$$\Delta E = E_a – E_e$$

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